ニヤけたようにも泣いているようにも見えるその口元に、したたかに拳を打付けるとグキリという鈍い音がして前歯がキッチンの床に吹き飛んだ。
吹き飛んだ前歯には赤黒く粘り気のある血が付着しており、それを手に取り足元で丸くなっている男の目の前に差し出すと、そいつのニヤけたようにも泣いているようにも見える表情は、より一層その度合いを深めた。
たっぷりと油が入った鍋を火に掛けて次の準備をしていると、その様子を腫れあがったまぶたの奥の澱んだ目でじっと見ていた男が、聞き取れない小さな声で何かを呟くが、聞きなおすつもりはもちろん無い。
薬指が根元から千切れ、中指が関節とは逆方向に捻じ曲がったそいつの右手を、煮えたぎる油の中に突っ込んだ。
一瞬、フライドポテトの匂い。
うめき声を上げるだけになった男の表情は、やっぱりニヤけたようにも泣いているようにも見え・・・
というような夢をこの前見ました。
クソみたいな映画よりもよっぽどか面白かったです。